一番の判断基準は「睡眠休養感」

睡眠の長さでいうと、私はすでに前期高齢者なのですが、あまり推奨されてはいない、中学・高校生向けの8~10時間睡眠を常としていますので、ちょっとどきっとしました。

自分の睡眠が足りているかどうかを判断する最も確かな指標は、「睡眠休養感」です。ぐっすり眠れて疲れがとれたと感じるかどうか。そこがポイントです。

私は、花粉症の季節以外は睡眠休養感がしっかりあるので、たとえ9~10時間であっても、個人差のうちにあり大丈夫と自己判断しています。もし、睡眠休息感が得られていない方は、疲れた脳を休ませるためにも、生活習慣や睡眠環境を変える必要があります。

ベッドでストレッチ
写真=iStock.com/Wand_Prapan
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「6時間以下」だと認知症リスクが高い

パリ大学研究チームが行った調査では、50代、60代、70代のそれぞれの睡眠時間と認知症について分析すると、どの年代も1日の睡眠時間を7時間とっていた人の認知症発症リスクが一番低く、睡眠時間が6時間以下の人は認知症リスクが一番高いことが示されています。

また、50代、60代から継続して常に睡眠時間が6時間以下の人は、7時間の人に比べて認知症発症のリスクが30%も高いということも明らかになりました。

睡眠は、認知症発症に関連するアミロイドβなどの老廃物を洗い流す役割を担っており、その働きの低下がこうした結果をもたらした原因の一つと考えられます。

実際に、眠っているときには脳の細胞の間隔が広がり、より多くの老廃物を流し出していることが知られています。アメリカのワシントン大学の研究では、なかなか寝つけないなどで睡眠が安定していない人と、しっかり眠れている人のアミロイドβの量を比較した結果、睡眠が安定していない人の脳に溜まるアミロイドβの量は5.6倍になったという報告もあります。