寝室やクローゼットの湿度が高まると、寝苦しいだけでなく、健康にも問題が生じるリスクが高まるという。生活史研究家の阿古真理さんが効果的な夏の湿気対策を取材した――。

万年床の下にキノコが生えていた…

湿気との戦いが続く梅雨と夏、家の中で意外に湿度が高い場所が、寝室と収納である。寝室で湿度が高い状態が続くと、体調が悪くなる場合がある。また、寝苦しいのであれば、それも寝室の湿度が高いせいかもしれない。クローゼット内に湿気がこもると、大切な衣類にカビが生えてしまうリスクがある。そこで今回は、梅雨から夏にかけての、寝室と収納の湿気問題とその対策をプロに聞いた。

暗い寝室と窓の光
写真=iStock.com/sevendeman
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問題を抱えた全国の住宅事情に精通するのが、住宅のコンディションを診断する「ホームインスペクション」の専門家集団、さくら事務所の取締役で、ホームインスペクターの田村啓さん。壁にポツポツと黒い点が目立つ家の壁紙をはがしたら、カビが壁面を覆っていた例や、万年床の布団を上げたら、畳にキノコが生えていた例などを見てきた。田村さんによれば、湿気が溜まりやすい住まいには、いくつか条件がある。そのうちの環境要因は3つ。

結露や強い湿気で、壁紙の裏と壁面がカビで覆われてしまうこともある。
写真提供=さくら事務所
結露や強い湿気で、壁紙の裏と壁面がカビで覆われてしまうこともある。

湿気がたまりやすい3つの要因

1つ目は、古い住宅の床下。築年数が長い戸建て住宅では、床下の地面がむき出しで、土から床下を通って湿気が室内に入り込む例がある。田村さんは「2000年以降は、床下に鉄筋コンクリートの基礎で覆うベタ基礎や、地面からの湿気を抑える防湿コンクリートが普及しました」と説明する。

2つ目は、建て込んだ住宅街。近年増えた細長い3階建て住宅は、1階の北側の部屋や、高さ制限対策で造った半地下に湿気が溜まりやすい。隣家との間が狭い住宅も、日当たりはもちろん風の通りも悪くなるため、湿度が高くなりがちだ。

3つ目は、土地の水はけ。もともと川や沼だった場所、あるいは田んぼや川が近くにあるなど、水はけが悪い土地も湿気は溜まりやすい。

「エアコンをつけていても寝苦しいときは、湿度が高い可能性があります」と語るホームインスペクターの田村啓さん。
写真提供=さくら事務所
「エアコンをつけていても寝苦しいときは、湿度が高い可能性があります」と語るホームインスペクターの田村啓さん。