※本稿は、にぐ先生(谷口達也)『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
「お金は貯めるもの」という考えは古い
お金があれば使うか、貯めるか。選択肢としてはこの2つ、というのが、これまでの主流の考え方だったと思います。ですが、「間違っている」とまではいわないものの、これは思い込みかもしれません。そして、親にこうしたお金に関する思い込みがあると、子どもの将来の選択肢を狭める可能性があるのです。まずは、金融の基本をおさらいしておきましょう。
「金融」とは、世の中にお金が流れて巡っていることを指しますが、そこにはお金そのものだけでなく、株式や債券、投資信託など、さまざまな金融商品が交ざっています。さらに、金融には時代や経済の状況などが反映されるため、お金の価値観は、世代によって違っていることがあります。
ご自分のお金に関する知識や価値観が、今、あるいはこれからの時代に合っているかどうか、考えたことはありますか? その家のお金のセンスは、代々受け継がれやすいとも考えられます。また、親の行動や会話が子どもに移るという研究もあります(1)。
※1:Cebeci, Gizem Turna. (2024). “Intergenerational Transmission of Financial Biases.” Journal of Behavioral and Experimental Economics.
これに沿っていえば、もしも親のお金のセンスが高くなかったり、お金の価値観に偏りがあったりすると、子どもも同じ傾向になりやすいということに。一概にはいえませんが、あなたの家族ではどうでしたか? 現在、子どもたちに対する学校での金融教育は始まったばかり。だから、大人世代のお金のセンスが低かったとしても、珍しいことではありません。
おこづかい「1カ月500円」は少なすぎる
この記事を読んでいるみなさんは、子どもが将来お金に困らないことを願っていると思います。ですから私は、「おこづかい教育によって親子のお金のセンスが高まれば、将来お金に困らない大人に成長する」ということを、お伝えしていきたいと考えています。
まずは、おこづかいを渡す側の「親」から、子どもが大人になった未来を見据えて、お金のセンスを高めておきたいものです。人によっては、おこづかいに対する考え方も、思いきって変えなければいけないかもしれません。
たとえば今、子どもが小学生だとして、1カ月に500円のおこづかいを渡しているとします。もらった子どもは、喜んですぐに使いますよね。だって、500円ですよ。物価が上がっている今の時代、ファストフードやスーパーのお菓子を買ったら終わってしまう金額です。
子どもが毎回、すべて使い果たして、貯金箱が空っぽでも仕方ありません。年齢や学年などで金額は変わるでしょうが、こうした最小限ギリギリのおこづかいを毎月渡しているという親は、けっして少なくはないと思います。

