浪費グセがついてしまうのは親のせい
多くの場合は「子どもにあまりお金を持たせたくない」など、親として心配する気持ちから最低限の金額になるのだと思います。または「甘やかしたくない」という、しつけの意味もあるのかもしれません。
でも、思いがけないことかもしれませんが、おこづかいが少なすぎると、子どもに「もらったお金は全部使う」という習慣をつける原因となります。習慣とは恐ろしいもの。
長い間、ギリギリのおこづかいしかもらっていないと、子どもは「とにかくお金を使いたい」と、よく考えずに欲しい物を買ってしまい、お金を貯められなくても「それが普通、当然のこと」と思うようになっていきます。この場合、子どもに浪費グセをつけた犯人は……そう、親なんです。
やがて、子どもが成長して社会人になったとき、無意識に「手元にあるお金は、すべて使ってもいい」と思っていたとしたら?
残念ながら「お金に困る大人」になることが目に見えています。さすがにすべてを使い果たすことはないだろうと思うかもしれませんが、実はそうでもありません。たとえば、20代から70代までの世帯主の年齢別、金融資産の有無を調べたデータがあります(2)。
※2:「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」(2023、知るぽると)
全体のおよそ2~3割の人が、貯金や株式、投資信託などの金融資産を保有していないとわかりますが、特に20代の若者の非保有率は高めです。つまり、「給料を使い果たしている」という状況なのです。
声かけの有無で子どもの資産額が変わる
低賃金や物価高ももちろん大きな原因ではありますが、そもそも「金融資産を残そう」という意識も低いといえるのではないでしょうか。子どもの浪費グセは、大人になって急には直りません。浪費が習慣になり、貯金ができなくても「当然」ならば、社会人になって給料をもらっても「貯めるより、使ってしまおう」と思う若者も当然、多くなるでしょう。
お金の使い方は人それぞれですが、若いうちから少しずつでも金融資産を増やしていければ「お金に困らない大人」になる確率はぐんと高まります。デンマーク工科大学による、家庭の金融教育が子どもの成人後の資産形成に与える影響についての調査では、親が子どもに貯金などの声かけをしていたほうが、大人になってから金融資産が約9割多かったというデータもあります。
また、自分名義の貯金口座のある子どものほうが、大人になってからの貯蓄率が高く、貯蓄額が多かったという報告もあります(3)。子どもが社会人になってから「ちゃんと貯金しなさい」と親が口うるさくいうよりも、子どもが小さい頃からおこづかい制度を使って「自分のためにお金を貯める」ことを教えるほうが、ずっと合理的で着実なのです。
※3:Bucciol, Alessandro, Martina Manfrè, and Marcella Veronesi. (2022). “Family Financial Socialization and Wealth Decisions.” The B.E. Journal of Economic Analysis & Policy.

