「レンタル移籍」から派生したプログラムも
原田氏はエフェクチュアルに行動を進めることで、未知だった問題への解を、経験を通じて獲得していった。移籍先はベンチャー企業であればどこでもよいわけではないこと、移籍する人にとっての目的、すなわち「移籍先で何をしたいか」「何を学びたいか」が事前に明確になっていないと効果は低くなること、移籍開始後も移籍者、移籍元、移籍先との連絡を絶やさないようにすべきこと、そして移籍者が元の企業に戻った後に起きやすい葛藤やジレンマにも対処する必要があること――。
行動するなかで見えてきたこれらの問題に一つひとつ対処していった結果として、多くの企業や人々に支持される現在の「レンタル移籍」の仕組みはある。その経験から派生したより短期間のプログラムやワークショップなども、ローンディールは提供している。
何がイノベーションを実現するための有効な要因となるか、事前に予測することは難しい。エフェクチュエーションとは、そうした予測不能な問題への一つの対処法である。そして、このエフェクチュエーションの実践的な学びを促進するローンディールの「レンタル移籍」もまたひとつのイノベーションであり、そのプログラムはまさにエフェクチュアルな行動を通じてできあがったものである。

