湯船につかると“血流が良くなる”
夏は、湯船につからずシャワーだけで済ませる、という方が増える時期ではないでしょうか。汗を流すだけならシャワーで十分ですし、実際、体臭対策という点ではお湯のシャワーが有効と言われています。
(参考記事:汗拭きシートでも、制汗剤でも、香水でもない…医師に聞いた「朝の1分」で"夕方までニオイを抑える"体臭対策)
ただ、それとは別に、夏でも湯船につかることには大きな意味があります。シャワーでは得られない健康効果が、湯船にはあるからです。
その最大のメリットが、体を温めて血管を広げ、血流を良くすることです。血流が悪くなることは、ある意味すべての病気のもとになります。そして人は、血管から老化が始まると言われています。温めることで血管が拡張すれば、血管の老化を防ぐことにつながる。これはさまざまな研究で明らかになってきています。
一言で言えば、お風呂の力は「温熱作用」です。体が温まることで血管が拡張し、血圧が下がり、血流が良くなる。これがお風呂の一番大事な働きです。
血流が良くなれば、全身に栄養分が運ばれ、炎症物質のような老化につながる物質も除去されやすくなります。とくに深部体温、体の中心部分の温度が上がると、内臓にまで十分な栄養と酸素が行き渡ります。古い細胞が新しく入れ替わる新陳代謝にも、プラスに働くと考えられます。さらに、全身が温まることで免疫力が高まる、ともいわれています。シャワーで体の表面を流すだけでは、ここまでの効果は得られません。
ジムやサプリのような「お金」「手間」がかからない
私はよく「ジムやサプリにお金をかけるより、お風呂に入ってください」とお話ししています。これには理由があります。
運動が健康に良いことははっきりしていますが、これは続けた場合のことです。ジムはお金がかかるうえ、通うのに手間がかかります。入会したものの行かなくなってしまう、という方は少なくありません。雨が降れば面倒にも感じるでしょう。よほど強い意志がないと続かないのではないでしょうか。健康食品やサプリメントも、効果がはっきりしないものが多く、それなりの費用がかかります。
そして、サプリも含め、「健康に良い」とされることには「長期的にどうなるか」がわからないものが多いのです。サプリを何年飲み続けたらどうなるか、という研究はさほど多くありません。せいぜい十数週間で血液の値がどう変わったか、といった短期のデータがほとんどです。
その点、お風呂は違います。9年後の追跡調査のような、長期的な予防効果のデータが出てきています。しかも、ほとんどの世帯に浴室が備わっており、新しく何かを買う必要もありません。家の中にあるから、そこへ行くのに何分も歩く必要もありません。一番手軽で、なおかつ長期的な効果も明らかになってきている。それが湯船での入浴なのです。

