厚生労働省が7月15日、最新版の「国民生活基礎調査」を発表した。独身研究家の荒川和久さんは「子どものいる世帯のうち、母親が働いている割合は81.2%に上り、過去最多となった。背景について『夫婦の価値観が共働きに変わった』と分析する報道があったが、そのような悠長な話ではない」という――。
ベッドで自分の膝を抱いて座っている女性
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「結婚したくてもできない」が増えている

「高すぎて無理」

東京23区の新築マンションの平均価格は1億6884万円にまで高騰し(2026年ライフルホームズ調べ)、もはや一般的な会社員には手の届かないものになっています。多少の賃上げがあったとしても、それを超えるインフレで、かつては多くの人が実現できた「家を持つ」という人生設計が、一部の高所得者だけのものになってしまいました。

実は、これと同じ「高すぎて無理」現象が結婚と出産にも起きています。私が「結婚と出産のインフレ」と名付けているものですが、これこそが未婚化・少子化の要因でもあります。

「家を持ちたくても買えない」と同様に、「結婚したくてもできない、子どもを持ちたくても持てない」という不本意未婚・不本意無子の増加です。

「児童のいる世帯」は年々減少しています。2000年の1306万世帯と比較すると2025年の同世帯数は917万世帯。約3割減です。政府の少子化対策は1994年のエンゼルプラン以降行われてきていますが、その効果は全く見られません。

少子化対策に関連する予算(家族関係府支出額)でみると、約2兆9000億円(2000年)から約11兆5000億円(2023年)へと予算だけは約4倍増になったにもかかわらず、その間「児童のいる世帯」数は3割減です。効果がないばかりか、むしろ予算を増やせば増やすほど子どもの数は減っているという「少子化推進」になっていると言えます。

一方、「児童のいる世帯」数は減っているのに、同世帯の平均世帯年収はあがっていますが、これも良いニュースではありません。

2000年対比で18%増の857万円。現役世帯(高齢者世帯を除く)全体がわずか3%増の701万円どまりであることとは対照的です。しかし、この「児童のいる世帯」の平均年収だけがあがっていることそれ自体が、深刻な少子化の結果でもあります。