年収600万円以下では結婚できない
妻が正規雇用の共働き夫婦が増えているのは世帯年収800万円以上で、特に1000万円以上が大きく上昇。一方で、専業主婦世帯は中間層を中心に大幅に減少しています。妻が非正規の場合も400万~600万円の中間層だけが減少です。
つまり、これは稼ぐ夫と稼ぐ妻しか子どもを持てなくなっていることを意味します。それは同時に、ほんの10年前まで夫の一馬力でもなんとかなっていた中間層は結婚すらできなくなったことを示しています。いうなれば、結婚は男女ともにある程度の経済力のある層の中でしか発生しなくなっていくということです。
結婚がなければ子も産まれません。結局、「結婚も子どもも金次第」という状況をより強化していくだけでしょう。
誤解のないように、何も専業主婦世帯を増やせばいいという話をしたいのではありません。問題にすべきは、「夫婦共働き」か「専業主婦」かという論点ではなく、どんな夫婦形態であれ、この中間層では結婚ができなくなっていることのほうです。そのせいか、婚活業界では高年収同士のマッチングは簡単に進むが、中間層は選ばれない傾向にあります。
若者がタイパ・コスパばかり気にするワケ
政府が共働きを推奨する本音は、別に少子化対策のためではないでしょう。専業主婦も全員働いてもらって納税対象者になってほしいという思惑です。現役世代人口が減る中で税収をあげるためにはそうするしかないからです。
しかし、それを推し進めても結果はかえって「結婚したくてもできない若者だらけ」という事態になります。それは将来的には狙った税収増にならないばかりか、深刻な少子化とともに国全体のGDPも下げることになるでしょう。
少子化対策にしても共働き推奨にしても、目先の戦術論ばかりで、本質的な課題解決にならないだけではなく、すべてが「中間層の若者にとって、結婚も子どもも手の届かない領域へとインフレさせ、その希望を奪い、行動する気力を削ぎ、タイパ・コスパ・リスクばかりを気にするようにしてしまった挙句、不本意未婚と不本意無子を増やした」のです。
中間層以下がそうなってしまうと未婚率70%になります。残り30%の上位層が全員結婚して子ども2人を産んだとしても出生率は0.6に落ちます。このままでは、そうした未来が確定するでしょう。

