とてつもない報酬をつかむには、いかに自分のブランドを確立するかがカギになる。

私が36歳で独立したとき、下の娘はまだ生まれたばかりだった。ふたりの娘を育てあげるのに稼ぎつづけなくてはならない。

はたして、退社したときの年収以上稼ぐことができるのか。

私は広島で株式会社オフィシャルを設立し、保険営業を中心としたファイナンシャルプランニングの事務所をはじめた。広島を選んだのは、たまたま最終勤務地が広島だったからだ。日本全国、どの土地で事務所を構えても、サラリーマン時代以上に稼ぐ覚悟だった。

税理士や社会保険労務士たちの共同事務所の一角に間借りさせてもらって、オフィシャルがスタートした。

私の最初の法人顧客は、山口県で美容室グループを経営するH社長だった。

はじめてH社長にお目にかかったとき、私は次のような自己紹介をした。

「私は、最初の損害保険会社では最短、最年少でマネジャーになりました。査定の評価はずっと最高のSランクでしたし、5年目からは毎年、MVPで表彰されていました。そのあと転職した生命保険会社では、同じく最短でマネジャーになりました。MVPのほかに、総合点での全国1位を損保、生保時代を通じて、4回とっています」

ところが、これを聞いたH社長から、
「そんな自己紹介は、独立してからは通用しないよ」
と叱られたのだ。

つまり、こういうことである。

経歴を並べただけの自己紹介では、相手は「何だ、結局サラリーマン時代の延長線上でやっていくのだな」と思うだろう。