稼ぐための第一歩は、行動を起こすことだ。しかし、頭では行動することの大切さを理解していても、実際に一歩を踏み出せない人は多い。

勉強熱心で、ビジネス書やセミナーから知識やノウハウを吸収しようとする人のなかにも、そのような人たちは少なくない。知識やノウハウは、知っているだけでは役に立たない。それらを自分の血肉とするには、実際に試し、工夫や改善を加えながら、オリジナルに昇華させていく作業が必要なのだ。

だが、もしいま、あなたが行動を起こす勇気がない人であっても、やり方次第で変わることができる。キーワードは、「多少の強制力」と「小さな挑戦」である。

1人の例をあげよう。

私の会社に、国立大学の大学院を修了したKくんという社員がいる。

Kくんは私と同じ生命保険会社で、フルコミッションの営業マンとして働いていた。頭脳は優秀。だが、成果につながる行動が起こせない。新しいことに挑戦するのが苦手なのだ。生命保険会社から当社に転職しても、Kくんの行動は変わらなかった。

新規の顧客を開拓できないため、月給は6万円。

Kくんの何が問題なのかといえば、まず「会うべき人」ではなく、自分にとって「会いやすい人」に会おうとすることだ。

ところが、多くの場合、「会いやすい人」とは、すでに契約してくださっているお客さまだったりする。いつでも会えるかもしれないが、いくら熱心にご挨拶や近況伺いをしても、新しい成果は生まれにくい。つまり、結果に結びつかない人である。

それに対し、「会うべき人」とは、新規のお客さまだ。

それも、できれば高額の商品を契約してくださるお客さまに会うのがいい。

しかし、はじめてのお客さまを訪ねるのは、心理的にハードルが高い。ましてや所得の高いお客さまが相手となると、気後れして勇気が出ない。

こうしてKくんは、「会いにくい」という理由で、「会うべき人」への訪問を先延ばしにしてしまうのだ。