経営コンサルタントの大前研一さんは、人間がほんとうに変わりたいと思ったら、変わる方法は3つしかないと言っている。

すなわち、

「時間配分を変えること」
「住む場所を変えること」
「つき合う人を変えること」

の3つだ。

習慣を強制的に変えない限り、人は変わらない。

この3つのうちでも、とくに難しいのは、私の実感からいっても、つき合う人を変えることだろう。どのような人とつき合っているかを見れば、その人がどんな人かも見当がつく。

年収300万円の人が年収3億円の人と親しくしているとは、あなたも思わないだろう。年収3億円の人と年収300万円の人では、食べるもの、着るもの、住む部屋や場所だけでなく、新幹線や飛行機でどの席に乗るかも違ってくる。

ひと言で言えば、金持ちは金持ちと、貧乏人は貧乏人と集まるのだ。

周囲にどのくらいの応援してくれる人たちがいるか、また彼らの平均年収を足して、人数で割ってみてはどうかという話はした。それにも通じる考え方だが、つまりは稼げない人間とつき合っている限りは、いつまでも稼げないままである。

ところが、頭ではわかっていても、人というのは、どうしても同じレベルの人間同士で群れてしまいがちだ。なぜかといえば、考え方や行動のパターンが似ているから居心地がいいのである。

そのせいで、ますます現在の人間関係から抜け出せなくなり、そこに時間を使いすぎてしまう。その結果、成長が止まるというわけだ。