2025年2月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。ビジネス部門の第1位は――。
▼第1位 フジテレビと共倒れ…「スポンサー離れよりずっと深刻」いまテレビの現場で起きている「負のスパイラル」
▼第2位 なぜ「セブンの一人負け」が起きているのか…客数減でも好調なファミマとローソンとの明暗を分けた本当の原因
▼第3位 日本酒の美味さは「いい米」でも「いい水」でもない…JALの提供酒に選ばれた酒蔵が「1日10回」必ずやっていること
▼第4位 「日産解体」が現実味を帯びてきた…「ホンダの子会社」という大チャンスを自ら捨てた日産を襲う最悪のシナリオ
▼第5位 生まれ持った才能でも努力でも熱意でもない…名経営者・松下幸之助が語った「私が成功したたったひとつの理由」
フジ経営陣は、あの会見で誰に謝罪したのか
「こんな会社の社員で情けないと思った」
「社員のことを何も考えてくれていない気がした」
「幹部は自分の保身しかないよね」
「4月に入って来る新入社員がかわいそう」
以上は、27日のフジテレビの記者会見後に、私がフジの社員や元社員に取材をした際に出た感想である。
10時間以上に及ぶ、フジとフジ・メディアHDの取締役による「やり直し会見」は「準備不足」と「保身」、スポンサーや外資ファンド、総務省への「アピール」ばかりが目立ち、「何の成果もなかった」と酷評されている。
私はこのプレジデントオンラインの前稿において、同会見を「公共電波の私物化」と非難したが、あえて評価できる点を挙げるとすれば、以下の3つである。
1.「10時間超もの会見をよくやったな」という「呆れ」にも似た登壇者への評価
2.「のらりくらり」会見でも少しずつ事実を明らかにしていった記者たちの「粘り」への評価
3.「会見の在り方」について改めて考える機会をくれたという評価
だが、その反面、冒頭に挙げた社員や元社員の声からわかるように、会見に「社員不在」「社員無視」という感覚を持った者が多かったことは確かである。私も中継映像を見ていて、「幹部が向いている先は、社員ではない」と感じた。
社員たちの「疎外感」
会見の4日前には、社員向けの説明会がおこなわれた。その場で、幹部たちは社員の悲痛な叫びを聞いたはずだ。もしその訴えに真摯に耳を傾けていたら、27日の会見はあんな長丁場にならなかっただろう。
だが、実際には、社内説明会で社員が投げかけた質疑はそのまま同じように会見で繰り返され、幹部はそれに対して明確な返答ができなかった。「準備不足」が原因で会見が長時間化したことは火を見るより明らかだ。