借金増加が止まらない

借金大国と言われ続けてきた日本国の借金増加に歯止めが利かなくなってきた。財務省が発表した3月末の「国債及び借入金並びに政府補償債務残高」、いわゆる「国の借金」が1343兆8426億円となり、前の年度末に比べて1.52%、20兆1271億円も増加、10年連続で過去最多を更新した。国の借金を巡っては、国債を国内で賄っているので増加してもまったく問題ないという主張がある一方で、長期金利の上昇や円安が進むといった問題も起きている。このツケはいったいどんな形で国民にのしかかってくるのだろうか。

終値で史上初めて6万5000円を上回った日経平均株価を示すモニター=2026年5月25日午後、東京都中央区
写真=時事通信フォト
終値で史上初めて6万5000円を上回った日経平均株価を示すモニター=2026年5月25日午後、東京都中央区

「4月1日時点の人口推計の概算値(1億2286万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約1094万円になる」(時事通信)。国の借金のニュースになると各社は必ず人口ひとり当たりの金額を書く。単純計算では確かにその通りだが、そのツケが国民一人ひとりにすぐに回ってくるわけではない。理論上は国が徴税権を持っているので、いずれ増税という形で国民の負担になる、というわけだが、民主主義国家である日本では政治が決断しない限り、簡単には増税はできない。

最終的には国債頼み

実際、高市早苗内閣でも増税の話は目立つ形では行われず、逆に選挙で掲げた食料品の消費税をゼロにするか税率1%にするのかといった議論がかまびすしい。国民が喜ぶ減税には熱心でも、国民負担が増える増税は政治家は口にできないわけだ。

一方で、政治家は予算の大盤振る舞いには熱心だ。国民が物価上昇に悲鳴を上げれば、物価高騰対策として補助金を配りましょう、ということになる。

今も続くガソリンへの補助金。米国のイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡の封鎖で原油価格が高騰する中、政府は1リットル170円程度に維持するとして補助金を出し続けている。その額1リットル当たり40円を超える。エコノミストの試算によると1リットル当たり10円の支給を1カ月続けると約1000億円かかるため、40円だと4000億円になる。現在、補助金は基金から出されているが、6月ごろには底をつく見通しだという。

ガソリンへの補助金は2022年1月から「激変緩和措置」として始まり、一時は取りやめになったものの、イラン情勢を受けて再開、強化された。すでに累計で8兆円以上の国費が投じられており、9兆円を突破するのは確実な情勢だ。財源の枯渇が懸念される中で、高市内閣は補助金継続の方針を示している。最終的には国債頼み、借金頼みということになる。