もちろん、過去の実績は大事だ。だが、これでは過去にしか自分の売りものがないと、わざわざ宣言しているようなものだ。
広島のオフィスには、サラリーマン時代の表彰状やトロフィーが数え切れないほど飾ってあるが、そんなものは何の役にも立たない。
そうではなく、ここで売りものにすべきは、大手損保や生保の単なる代理店としてではなく、江上治として、どのような付加価値を提供できるかである。
それには、相手にとっての未来のビジョンを描いてみせることが必要なのではないか。そこに顧客がついてきて、はじめて江上治のブランドが確立できるのではないか。
ただ保険という商品を買うだけであれば、誰から買うのでも同じだ。江上治を選ぶ理由は、どこにもないのである。
それを、H社長は教えてくれたのだ。
オフィシャルを設立してから、私は個人や法人向けにライフプランセミナーを開催し、それらのセミナーにきてくださったお客さまをターゲットに、保険についての個別相談と、資産運用に関する提案を行っていた。そこに、人生計画の立て方や、そのための現状分析のやり方など、ライフプランニングのための新しいコンテンツを加えることにした。
さらに、経営者相手の相談では、会社のバランスシートを見せてもらい、保険商品を活用しての節税対策を提案するなど、江上治としての強みも打ち出した。
このようにして、オフィシャルとしてのブランドを確立していったのだ。
こうしたブランドなくして、とてつもない報酬への道を歩むことはできない。
【年収1億を生む黄金則】過去の実績や成功体験でなく、つねに現時点での「ブランド」で勝負する。
(※『プロフェッショナル ミリオネア』(プレジデント社刊)第5章「捨てる、決断する」より)