「トヨタ生産方式」の導入に失敗している企業が見落としていること……それは、現場の「人づくり」だ。これまでの作業と違うことを求められる人を、大野耐一はどのように動かしたのか。
トヨタ生産方式導入に失敗する企業が見落としている2つの本質
トヨタ生産方式を導入している企業は多いが、失敗しているところも少なくない。失敗した原因はいくつかに絞られる。まずは作業者に「作業を早くしろ」「手を早く動かせ」と命令することだ。現場の作業者は忙しくなり、疲弊するから会社を辞めてしまう。作業者にとっては楽になることがトヨタ生産方式なのに、本質部分をわかっていない。
また、複雑で高額な設備を導入して何でも機械にやらせようとする失敗だ。トヨタは設備を改善する前にまず人の作業を楽にするカイゼンを行う。工作機械もなるべく長く使う。「減価償却が終わった機械を使うことから本当の儲けが得られる」という言葉もあるくらいだ。
複雑で高価な機械は不具合が出たり、壊れてしまったら専門の修理人を呼んでこなくてはならない。作業は止まってしまう。その点、単純な機械であれば壊れにくいし、また、現場の人間でも修理することができる。機械が稼働する本当の時間と設備を購入するコストを勘案してから導入するのがトヨタの考え方だ。
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(イラストレーション=浅妻健司)


