必要な分を必要なだけつくる。それにより効率化を実現してきたトヨタ自動車において、「かんばん」の存在は切っても切り離せない。「かんばん」はいかにしてムダ削減に効果を発揮するのか――。
「かんばん」に込められたムダをなくす執念
トヨタで長くトヨタ生産方式の伝道をしてきた現日本事業本部本部長の友山茂樹は「かんばん」が始まった頃の様子を次のように推測している。「同数の実(部品など)入りの通い箱と空の通い箱を交換する実空運搬は工程内では通用します。後工程の作業者は、決まった個数を入れた部品箱を前工程に取りに行く。取りに行った作業者が部品を使い切ったら、再び、その空箱で前工程に部品を取りに行く。前工程の作業者は後工程が引き取った分だけの部品を作る。
生産量の増減に応じて部品箱の数を増減させることにより、在庫を最小限にコントロールする。ただし、工場と工場の間、それから仕入れ先までの後工程を実現しようと思ったら、かんばんがないと無理でしょう。後工程引き取りの実現にはかんばんが必要です。
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