沖縄の米軍基地に巨大プールを

田原総一朗氏

【田原】もう1つのジェット燃料も進んでいるのですか。

【出雲】はい。私たちはミドリムシを培養するところまでしかできないので、株主のJXさんにジェット燃料にしてもらい、同じく株主のANAさんに使ってもらいたいと思っています。

【田原】なぜJALじゃなくてANAなのですか。

【出雲】共同研究開始のときは両方からご要望をいただいています。両方の会社にお願いしたのですが、当時はJALさんが大変な時期だったので……。

【田原】なるほど。実用化がうまくいったら、次は量産化ですね。目途はついているのですか。

【出雲】ビジネスになるのは20年です。そのころには国内航空会社の航空燃料の1割くらいの生産を目指しています。

【田原】肝心の値段はどうですか。あまり高いと使えないでしょう。

【出雲】いまは研究中で、ガソリンの約10倍ぐらいです。量産化すればもっと安くなりますが、量産化のためにはもっと巨大なプールが必要です。また、巨大なプールをつくる前に、まず1回、飛行機を飛ばして、本当にミドリムシで飛行機が飛ぶということをみんなに知ってもらいたい。いまは量産化とテストフライトの実現を目指しています。

【田原】巨大プールって、どれくらいの大きさがあればいいのですか。

【出雲】100万平米、東京ドーム約21個分です。この大きさのプールがあれば石油由来のものと同程度の価格、1リットル150円ぐらいでジェット燃料ができます。その価格でつくれるようになったら、あとは2個、3個とプールを増やしていけばいい。