LNGは天然ガスより価格が2倍
福島第一原発の事故後、全国の原発が稼働停止に追い込まれてから、日本の天然ガス輸入量は急増し、貿易赤字の大きな要因になっている。
日本が輸入している天然ガスは価格が高い。なぜかといえばLNG(液化天然ガス)だからである。欧米はパイプラインが張り巡らされているから、天然ガスをそのまま使える。しかし日本は島国であるうえに海外とパイプラインで結ばれていないため、(現地で液化したガスを船で運んできて、陸揚げしてから再度気化する)LNGを購入せざるをえない。LNGは2度手間がかかるため、天然ガスより価格が2倍ほど高くなる。
また、仮にロシアからパイプラインで輸入できたとしても国内は地域毎に独占企業が配管しているので、欧米のように全国小に届けることはできない。
主にロシアからパイプライン経由で天然ガスを買うヨーロッパでは、100万BTU(英米で使われている熱量単位)当たり7ドル程度。シェールガス革命に沸くアメリカでは100万BTUで3ドルを切っている。しかし、日本がカタールやオーストラリア、インドネシアから輸入している天然ガスの価格は15ドル以上もする。
しかも日本向けのLNGは原油価格に連動し、安定供給を確保するために長期契約だ。日本のエネルギー業界の見通しの甘さに加えて、原発事故後にLNG依存度が一気に高まったことで、日本は世界で最も高い価格の天然ガスを買わされている。