なぜ首都圏の電車で遅延が相次ぐのか。鉄道ライターの杉山淳一さんは「国土交通省の資料によると、30分以上の大規模遅延は人身事故や災害、機器故障によるものが多いが、ほぼ毎日のように起きる10分以内の遅延の原因は、利用者側にあると指摘されている」という――。
調べてみたら本当に毎日遅延していた
「日本の鉄道は世界一正確」というけれど、通勤電車はその限りではない。中央線沿線に住む筆者の知人は「朝晩の通勤時間帯は毎日のように遅延していて、時刻表通りに運行していればラッキーだと思うほど」だという。
さすがに毎日とは言いすぎだろうと思っていたけれど、調べてみたら本当だった。
JR東日本が公式サイトで公開している「遅延証明書発行ページ」を調べた。JR東日本の中央線快速の履歴を見ると、今年の1月4日から2月4日までの約1カ月で、毎日5分以上の遅延が発生していた。
時間の区分は「始発~7時」「7時~10時」「10時~16時」「16時~21時」「21時~終電」の5つで、毎日どこかで遅延している。遅延のない日はゼロだ。
「次の電車が来るからいい」ではない
それでも「7時~10時」の通勤通学時間帯で遅延がない日は7日ある。ただし、ほとんど土休日で、平日は2日だけ。知人の言う「ラッキー」な日は2日しかない。
「16時~21時」の帰宅時間帯に限れば、遅延がない日は3日。そのうち平日は1日だけ。意外なことに、朝よりも夕方のほうが遅延していた。もっとも、ほぼ毎日と言っていい数値で、比較したところでドングリの背比べである。
筆者もときどき通勤時間帯の東急田園都市線や横浜市営地下鉄ブルーラインに乗る機会がある。そういえば遅延している日が多い。駅の発車案内で「2分遅れ」などと表示されている。
2分程度なら気にならないし、5分以上遅れていても、本来なら5分以上前に発車した列車がやってくるので気にならない。しかしそれは遅延を運行本数が補っているだけだ。遅延していることに変わりはない。
いったい、電車はなぜ遅れるのか。
私たちは遅刻しがちな電車とどのように付き合うべきか。


