2013年上期のビール類メーカー別シェアはアサヒビールが37.1%(前年同期比0.2 %減)、キリンビールが35.0 %(同0.6%減)、サントリー酒類が15.1%(同0.6%増)、サッポロビールが11.9%(同0.2%増)。この夏の奮闘が後半戦を左右する。

変化の波に揺れる今年のビール業界

小路明善ビール酒造組合会長代表理事(アサヒビール社長)は言う。

「前回の酒税改正(実施は2006年5月)では、業界はバラバラだった。今回は1枚岩で臨む。酒造組合で決めた方針がアサヒの方針と異なっても、私は組合の決定に従う」

今年はビール類の新商品などでの増産が目立つ。だが、全体としてはダウントレンド。

今後は消費税増税に伴う酒税をめぐる税制改正が年末にかけて実施されるかどうかが焦点となる。さらに少子高齢化や若者のビール類離れ、ハイボールやワインの台頭、メーカーと大手流通との共同開発商品やPBなど、国内産業の代表格でもあるビール類業界は今年も大きな変化の波に直面している。こうしたなか、営業マンは日夜奮闘している。変化の波間を突きながら。

ビール類の営業には2種類ある。1つは、スーパーやコンビニなどの販売現場を攻略する営業。バイヤーを主に攻略するが、市場の7割はスーパーなどの家庭向けとなる。もう1つは、飲食店などの業務用。店主や飲食チェーンの担当者が相手であり採用されるかどうかはゼロか100かの世界だ。売り込むのはビールだ。まずは、前者を見てみよう。