本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2023年4月10日レター)

――インドの人口が2023年には中国を上回り世界一になると見られています。また、インドのGDP成長率は2022年に6.7%成長となり、中国の伸び率を超えました。名目GDPは旧宗主国の英国を抜いて世界5位となり、2027年には日本のGDPを超えるというIMFの推計もあります。米国、中国、インドという3極を軸にする世界に変わるのでしょうか。今後のビジネスを進めるうえで、堀さんの見立てを教えてください。

【堀】今後は、中国よりもインドの方が経済力で目立つようになるのは間違いないでしょう。しかしながら、世界が米国、中国、インドの3極構造になるかというと、それほど単純ではないと思います。まず、米国も中国もインドもなかなか手なづけられない中東世界があります。サウジアラビアをはじめとする中東諸国は、巨大オイルマネーを動かし、したたかにふるまっています。

(構成=今井道子)