本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2023年5月8日レター)

――米銀のシリコンバレーバンクやシグネチャーバンクが破綻しましたが、今度はスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの経営不安が表面化、金融市場の動揺が米国から欧州にも広がりました。2007年から始まったサブプライムショックのような経済危機が起きるのでは? という見方もあります。2007年のときとは異なり、今回はSNSによってまたたく間に預金者の間に動揺が広がったという背景もありました。この米銀破綻が世界経済、日本経済に及ぼす影響について、堀さんの見立てを教えてください。

【堀】資本主義である以上、金融危機は何十年に一度は必ず起こるものです。一番よく知られている1929年に始まった世界大恐慌では、株価は7分の1ほどに暴落、約6000の銀行が倒産し、およそ1000万人が失業したという想像を絶する状況でした。スタインベックの有名な『怒りのぶどう』は、この時代を背景にアメリカ中部で貧困に苦しむ農民一家の物語を描いた小説です。ヘンリー・フォンダ主演で映画にもなりました。その後も、1970年代のオイルショック、1987年のブラックマンデー、2008年のリーマンショックなどはご記憶の方も多いと思います。

(構成=今井道子)