本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2023年2月13日レター)

――ある業界に新規参入するとき、競合の数が気になります。2番手で入る場合、3番手で入る場合、また4番手で入る場合などの判断で大切なことはどんなことですか?

【堀】ハーバード大学経営大学院で入学初期に習う基本がいくつかあります。今号はそのうちの1つ、新規参入の原則について話しましょう。多くの業界で、競合が2社では少なく、3社が適正、4社は過剰であるという原則です。なぜかと言えば、2社ではあまり競争が起きないので、サプライヤーロジックで業界が動いてしまい、開発も行われず、価格は安くなりません。3社あれば適正な競争が起きて商品開発が進み、妥当な価格となります。ところが4社あると、景気の良いときは成長したとしても、ひとたび景気が悪くなると4社目の黒字はない、という鉄則があるからです。

(構成=今井道子)