月2回90分 妻と居合の稽古を受ける

右手の指先を柄つかに添え、鞘を引きながら左足を開いて前へ。切っ先が鯉口から離れる寸前から右足を踏み込み、間を置かず水平に払って一刀。柄が右の掌にしっかりと収まったら左帯に鞘を送り、左手を添えた拳をこめかみに近づけます。立ち上がりながら袈裟に振り下ろし、切っ先が空気を切り裂く音を残して刀が止まる。血振りをしてから切っ先を鯉口に収めて、納刀。

「居合をやってみない?」と誘ってくれたのは、妻でした。子育ての合間に夫婦でできる趣味が欲しいと私が思っていた頃のことです。先に居合を習っていた妻と一緒に地域の居合の稽古に行くことになりました。月2回、先生に90分の稽古をつけていただいています。妻は学生時代、剣道に打ち込んでおり、全国大会に出場したこともある腕前です。先生もなかなか厳しい方ですが、妻からも時折指摘が入ります。

(構成=渡辺一朗 撮影=宇佐美雅浩)
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