40年憧れたエレキベースで左手の運指を確かめる

帰宅してほっと一息ついたとき、あるいは休日のリラックスした昼下がり、無意識に愛用のベース「Ex Factor」に手が伸びます。ミディアムスケール(32インチ)のややコンパクトなボディ。左手の運指を確かめながら、一定のテンポで音階をなぞっていきます。リズムと音の粒をそろえることに集中していると、10~15分があっという間に過ぎていきます。肩の力が抜けて思考が軽くなり、スッと前向きな気持ちになれる瞬間です。

高校生のとき、地元のUHF局で「SONY MUSIC TV」の放送が始まりました。金曜深夜23時30分から3時間20分、洋楽のプロモーションビデオを流し続ける番組でした。どの楽曲が放映されるかは、観ていないとわからない。U2やポリスの演奏に目を奪われ、毎週ワクワクしながら画面にかじりついていました。

大学に入ると、レンタルレコード店の雇われ店長として新譜を誰よりも早く手に入れる特権を得る一方で、友人に誘われて軽音サークル「BetterDays」に所属して、バンドを組みました。担当はベース。はじめは興味がなかったのですが、次第に音楽を下支えする低音に魅了されていきました。

(構成=渡辺一朗 撮影=宇佐美雅浩)
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