日本に在留する外国人は約377万人と過去最多を記録した。「日本に住み、働きたい」と願う外国人は多いが、日本企業のダブルスタンダードに戸惑う人も多い。日本で働く外国人の本音とは――。

日本文化に憧れる外国人 ブランド力は世界1位に

日本で働く外国人は年々増加しています。出入国在留管理庁の統計によれば、2024年末時点で日本に在留する外国人は過去最多の約377万人に達しました。特に就労を目的とする在留資格の取得者が大きく伸びています。

就労系の在留資格取得者の中にはホワイトカラー職種で活躍する「高度外国人材」と呼ばれる人たちが、全体の約3割を占めています。エンジニアや事務職などの「技術・人文知識・国際業務」、研究者、経営者などの「高度専門職」などの資格がこれにあたります。

企業の国際化や人手不足を背景に、高度外国人材を採用する例は、大手はもちろん地方の中小企業にも広がっています。しかし、企業の現場では「採用はしたものの、どう育成すればいいのかわからない」「周囲に気を使いすぎて、本人の良さが見えなくなっている」といった声も聞かれます。真面目に働いてはいるけれど、なかなか活躍の場が広がらない。そんな外国人社員が、皆さんの職場にもいるかもしれません。

高度外国人材には、海外で直接採用されて働き始めるケースもあれば、留学生として来日し、日本の大学や大学院を卒業・修了後に就職するケースもあります(留学ビザからの資格変更)。前者は理系職種を中心に即戦力として迎えられることが多く、後者は日本の学生と同じように“就活”を経て採用されるのが一般的です。

いずれの経路であっても、日本で働くことを選び、日本企業の門を叩いた人たちです。人口減少が進む日本において、外国人材の力をいかに活かすかは重要なテーマですが、実際にはその力を活かしきれていない職場が多いのも事実です。

なぜ彼らは日本で学び、日本企業で働こうと決意したのでしょう。人それぞれのストーリーがありますが、見逃せないのは日本に対する高い関心と憧れです。子どものころからアニメやマンガ、音楽にゲームなどの日本文化に親しんできた世代が多く、日本語を学び、日本の大学に進学し、日本で働くという選択を自然な流れとして受け入れている人がたくさんいます。これは一過性のブームではなく、国や地域を超えて広がっている文化的共通体験といえるでしょう。

事実、世界各国のブランド力を評価している「アンホルト-イプソス国家ブランド指数」で、日本は23年に世界1位を獲得しました。このランキングでアジア太平洋地域の国が首位となったのは史上初のことです。日本という国のブランド価値が、想像以上に高く評価されていることがうかがえます。

また、東南アジアや南アジアと比較すれば、日本の新卒の給与水準は依然として高く、安定した雇用や生活環境を求めて来日する人も少なくありません。加えて、日本は留学生でも一定時間のアルバイトができますし、企業から申請があれば高確率で就労ビザが取得可能など、留学→就職への道筋が立てやすい制度的な特徴もあります。こうした要素が重なり、多くの外国人が「住みたい国」として日本を選び、日本企業に「就労の機会」を求めています。

一方、企業側は外国人材をどのような目的で採用しているのでしょう。ディスコ(現キャリタス)が23年に実施した調査では、「優秀な人材を確保するため」が文系・理系ともに最多の回答となっています。文系では「日本人社員への影響も含めた社内活性化のため」「語学力が必要な業務を行うため」「外国人としての感性・国際感覚等の強みを発揮してもらうため」「海外の取引先に関する業務を行うため」などが続きます。

ところが、同じ調査で企業が採用する外国人留学生に求める資質として最も多く挙がったのは、圧倒的に「日本語力」と「コミュニケーション能力」でした。専門知識や独自の感性といった期待を掲げながらも、実際には日本語での意思疎通や職場文化への順応を重視している実態が浮かびます(下図を参照)。

(構成=渡辺一朗 イラストレーション=村田篤司)

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