鈴木彩香(ラグビー7人制日本女子代表)
ラグビーの7人制日本女子代表がワールドカップ(W杯)セブンズ(27日開幕・モスクワ)に挑む。愛称「サクラセブンズ」の発表記者会見。エースの鈴木彩香は約50人のメディアを前に少し緊張気味だった。
7人制ラグビーが2016年リオデジャネイロ五輪の正式競技となって、女子ラグビーを取り巻く環境が激変した。メディアの注目度の変化を問われると、「びっくりです。昔はこんなたくさん、いなかったですよ」と笑顔を振りまく。
「女子ラグビー全体としては喜ばしいことだと思います。五輪競技になって、他競技から選手が転向してきたし、女子の競技人口も増えています。そんな中、自分には日本代表として戦う責任がある。結果を残して、子どもたちに夢や感動を与える選手にならないといけないのです」
女子代表は体力をアップさせるため、ハードワークを積んできた。いまや強化合宿の茨城・勝浦の砂浜トレーニングは代表の名物練習となった。
「いろんな練習をしてきました。砂浜でたくさん走って、高校生のように砂だらけ、泥だらけになりながら……。こんなの代表選手がやるのかという練習もあったけれど、それが自信になっています」
横浜市出身。小学校2年でタックルのないタグラグビーと出会い、やがてラグビーに転向した。17歳で日本代表入りを果たし、数々の国際舞台を経験してきた。4年前の前回W杯にも出場したが、1勝も挙げることができなかった。
「4年前はチーム最年少だったけれど、いまは中堅というか、チームの柱になる人だと思うので、本当に責任があるなあと思っています。みんながつらい時でも、からだを張って、声を出して、チームを盛り上げていけるようにしていきたい」
W杯セブンズでは1次リーグでロシア、イングランド、フランスと格上ばかりと対戦する。サイズやパワーでは劣るが、運動量と素早いつなぎでカバーする。
「しっかりと質の高い運動量で走りまくって、開いたスペースにボールを運んでいきたい。1対1の勝負でも相手をずらしていく。どんどん前に出ていく。ずっとアタックしていきたいですね」
立正大大学院の23歳。サクラセブンズのエースの視線の先には「リオ五輪の金メダル」が置かれている。