記録的な投票率で終えた選挙結果は…
2月23日はドイツの総選挙だった。本稿を書いているのは、その翌日の24日。
産業の空洞化、エネルギーの高騰、インフラの崩壊、治安の悪化など、ドイツの衰退を国民が肌で感じるようになっていた矢先の前倒し選挙で、ドイツの運命を決定する選挙と言われた。
また、選挙前にはどんでん返しもあり、議席数も連立の組み合わせも、最後まで予測できない選挙でもあった。そして、国民はその重要さをしっかりと認識していたらしく、82.5%という記録的な投票率の高さが、その気持ちを如実に示していた。
選挙結果は図表1の通りだ(2月24日ドイツ時間で午前6時44分現在)。
選挙前からトップを走っていたCDU/CSU(キリスト教民主/社会同盟)が、28.5%の得票で予想通り第1党(ただし、前回が党史上最低の得票数で、実は今回は2番目に最低)。
CDUのメルツ党首は「防火壁、防火壁」と喧しく、極右政党といわれるAfD(ドイツのための選択肢)とは「何があっても、絶対に、絶対に、絶対に連立しない!」と言っていたし、今も言っている。
「絶対に連立しない」のに第2党に躍り出たAfD
そして、その“ナチ”のAfDが予想通り第2党。得票率は20.8%で、前回に比べて倍増。政府、他の全政党、主要メディアによるありとあらゆる妨害工作を受けながらの選挙戦だったことを思えば、この躍進ぶりには目を瞠らざるを得ない。ただ、本当の得票率はもっと高かったのではないかという噂も、すでに流れている。
ちなみに、AfDを誹謗中傷する報道はドイツでも日本でも日常茶飯事だが、実はこの党の政治家は極めて優秀で肝が据わっており、今のドイツでは一番まともな主張を展開している。だからこそ、既存の政党はそのポテンシャルを恐れ、ありとあらゆる手を使って潰そうとしている。
一方、緑の党は落ち目で11.6%。前回より3.1ポイント減だった。ハーベック経済・気候保護相の非現実的なエネルギー政策と経済政策が、ドイツ経済の没落の一因であることは、今や誰の目にも明らかだが、ハーベック氏は何の反省もない。そこで、これを継続されては大変だと危惧した有権者が緑の党を離れた。
なお、自民党とBSWは今回、議会から退場となる。ドイツでは、ワイマール時代に小党乱立で政治が機能しなくなったことへの反省から、得票率が5%未満の政党は、国会で議席を持てないことになっている。

