幸せに生きるにはどんな人間関係を構築するといいか。心理学者の内藤誼人さんは「心理学的にいえば、うわべの付き合いでも、十分に満足は得られることがわかっている。たいていの人は、うわべの付き合いよりも『深い付き合い』を好むが、タモリさんは逆で、むしろ『近すぎる関係』をあえて避けるようにしている」という――。
※本稿は、内藤誼人『タモリさんに学ぶ「人生のたたみ方」』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。
老後はなるべく同じグループと付き合おう
心理学では、自分の属する集団のことを「内集団」、属さない集団のことを「外集団」と呼んでいます。相手が内集団になるのか、それとも外集団になるのかは、カテゴリーによって変わってきます。
たとえば、日本人にとっては日本人が内集団になりますし、外国人は外集団ということになります。また、同じ世代の人が内集団、違う世代は外集団という分け方もできるでしょう。
関東で生まれ育った人は関東人が内集団で、北海道や九州の人が外集団ということになります。
さて、付き合っていて気がラクなのは、内集団。
というわけで、付き合いはなるべく内集団に限定したほうがいいかもしれません。タモリさんはというと、やはり自分の内集団の人と付き合うように意識しているようです。
「基本的な俺の姿勢は、若い奴らは若い奴らでやればいい、ということ。俺たちもそうやってきたわけだしね。同じ年代同士でやればいいんで、かかわりあいなんて必要ない」
(高橋章子 1990 『どっかおかしい』 講談社文庫)
(高橋章子 1990 『どっかおかしい』 講談社文庫)
外集団の人とはムリにお付き合いしなくてかまいません。なぜかというと、一般論として、私たちは内集団の人は受け入れますが、外集団の人に対しては心理的に拒絶するという傾向があるからです。

