2025年1月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。ウーマン部門の第2位は――。

ウーマン部門では、咳を和らげるスーパーで買える食材を紹介した医師・木村知さんの記事が1位に。病院の薬に頼らず、自然な方法で咳を軽減する方法をやさしい言葉で解説しています。2位は1月ならではの記事となりました。糖尿病専門医・矢野宏行さんが「正月に食べ過ぎない方がいい食品」について解説。特に、栗きんとんや黒豆よりも糖質が多い意外な食品に注意を促し、血糖値を上げにくい食べ方の工夫を紹介しています。3位には、50代以降の女性が「腟ケア」を積極的に行うべき理由を解説した記事が選ばれました。著者の原田純さんは、助産師の勧めで腟ケアを始めたところ、日本人女性の約70%が予備軍とされる“ある病気”が見つかったと語ります。1~5位のランキングは以下の通りです。

第1位 病院でもらう咳止め薬よりも断然効果が高い…医師の間では常識「ひどい咳がラクになるスーパーで買える食材」
第2位 糖質が一番多いのは栗きんとんでも黒豆でもない…糖尿病専門医が「正月に食べ過ぎないで」という2つの食品
第3位 50代以降は「腟ケア」を積極的にすべき…激痛に悶え泣きながら指を入れ続けた60歳女性に見つかった病気の名前
第4位 75歳でガクッとくる人と元気な人の違いはコレ…現役医師が検診勧める「痛くも苦しくもないが重大な疾病の名」
第5位 強いストレスがかかっても折れない人は何が違うのか…精神科医が「これほど重要なものはない」という能力

近頃は購入して食べることも多い「おせち料理」。味付けが濃いイメージがあるが、健康への影響はどうなのか。糖尿病専門の内科医として患者に食事指導をしている矢野宏行さんは「栗きんとんなど、糖質の高い食材に砂糖を使った料理が多く、食べる量には注意。しかし、正月にはおせちよりもリスクの高い日本人の大好物がある」という――。
栗きんとんと黒豆
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年明けのクリニックでは血糖値の上がった患者が増える

糖尿病専門医にとって、お正月休みは1年で最も注意すべき時期。私のクリニックの患者さんたちにも、年末近くになると「おせち料理などの食べ過ぎに注意してください」とアドバイスしています。患者さんの方から「おせちを食べてもいいですか?」と相談されることもありますね。

それでも、年明けの1月から2月上旬には、通常より血糖値が上がってしまう患者さんが、かなりの割合で増えます。年末年始の無茶がデータに出てくるのがその時期で、血糖の平均値であるHbA1cは、糖分の高いものを摂取しつづける生活になり、少しタイムラグがあってから上がってくるのです。

近年、中高年だけではなく、20代や30代でも糖尿病になってしまう人も増えています。糖尿病の人にはもちろん、その予備軍、健康な人まで、お正月の食事には注意してほしいですね。

おせち料理の糖質は高いが、食べるのがNGなわけではない

おせちはもともと保存食ですから、砂糖や塩をふんだんに使って腐らないように工夫されています。ゆえに、どうしても糖分と塩分が高い。例えば、栗きんとんは、もともと栗という糖質の高い素材に砂糖を混ぜているわけですから、大さじ1杯あたりの糖分は20グラムほどと、かなり高め。黒豆の甘煮も同じように糖質が高い。また、糖尿病の患者さんには、そういった甘い料理が好きな人が多いのです。

ただ、私は既に糖尿病になってしまった人に対しても、「これを食べてはいけない」という厳しい食事制限はしません。普段の食事にしても、おせちにしても、いずれかのメニューを「まったく食べない」というのは無理な話ですよね。かえって「食べたい」という飢餓感を高めることにもなりかねません。だから、どの料理の糖質が高いかという知識を得た上で、食べる量を調節してもらえればと思います。

たしかに、おせち料理の栗きんとんや黒豆は糖質が高めですが、それをどんぶり1杯食べるわけではないでしょう。お重や皿に盛り合わせた分だけ少し、というのなら問題はないと思います。目安としては、1食につき大さじ1杯ぐらいまででしょうか。