自民党の高市早苗政調会長と野田聖子総務会長が政府提出法案の党内手続きをめぐり対立、不仲説が新聞を賑わせた。評判を気にした2人は3月15日、一緒に官邸を訪問し安倍晋三首相と面会。高市氏が「信頼し合っているのでご心配なさらないように」と不仲説を否定すると、安倍氏は「心配していない」と笑って応じた。
安倍氏が2人を三役に据えたのは、ポスト安倍をにらんだ布陣と言われるが、安倍氏は、ポスト安倍の最右翼と目される石破茂幹事長とは「犬猿の仲」で有名。総裁の座を渡す意思などサラサラない。
「安倍首相は、小泉純一郎元首相の次男の進次郎氏を自分の後継者にする構想を描いている。でも進次郎氏はまだ若すぎる。そこで安倍政権をできるだけ長期政権にする一方、ポスト安倍に女性議員を擁立。日本初の女性首相で国民の支持を取り付けたうえで、そこから進次郎氏へのバントタッチを考えている。2人も女性首相候補に入っている」(安倍氏周辺)
自民党の女性首相候補としては、高市、野田両氏のほか、小池百合子元防衛相の名前も取り沙汰されてきた。だが、「石破側近の小池氏は安倍氏に疎んじられ、すでに脱落した」(全国紙政治部デスク)。代わりに党内で急浮上しているのが小渕優子財務副大臣だという。
小渕氏は、小渕恵三元首相の長女という毛並みのよさに加え、選挙も抜群に強い。若いが閣僚経験もあり、子育て中で主婦層の人気も高く、スキャンダルとも無縁だ。しかも「演説もうまく、党内では小泉進次郎氏に次ぐ人気者。現在は財務副大臣として麻生太郎財務相を補佐。決して出しゃばらず、自民党各派領袖クラスや官僚とも上手に関係を築いている」(自民党ベテラン秘書)。
安倍氏も小渕氏を高く評価し、昨年の政権発足時には小渕氏の入閣、党三役入りを検討した経緯がある。このため「今夏の参院選後の内閣改造で、人気のある小渕氏が、安倍氏お気に入りの丸川珠代氏らとともに重要ポストに就くのは確実な情勢」(前出デスク)という。
安倍氏は前回の組閣でも稲田朋美、森まさこ両氏を閣僚に抜擢。「有能な女性議員を競わせて育てる方針」(周辺)というが、その“意中の女性”は誰なのか。