※本稿は、三上ナナエ著『あらゆるタイプのお客様に選ばれる 一生使える「接客サービス」の教科書』(大和出版)の一部を再編集したものです。
クセは無意識のうちに出ている
自分でも気がつかないうちに出てしまうクセは、人間なら誰しもあるでしょう。
「無くて七癖有って四十八癖」ということわざもあるくらいですから。
クセは人間味でもあるので、親しみを感じられることも多々ありますが、そうは言っても接客の時には出てきてほしくないクセもありますよね。
私は「三上さん、困った顔してるよ」と新人の頃に言われたことがありました。
そうなんです。どうやら私は、忙しい時に眉間にシワを寄せるクセがあるんです。これは接客の時には、あまり出てきてほしくないクセの一つです。
あるウェディングコーディネーターの方が、「眉間のシワ」にまつわる失敗談を聴かせてくれました。
その方は、いつも打ち合わせに遅れてくるカップルの方を担当していました。
その日も他のお客様のご予約がビッチリつまっているのに、時間になってもいらっしゃらなかったそうです。
つい焦って眉間にシワが寄っていることに気づいたその瞬間、ちょうど遅れたカップルの方が自分のほうを見ながら歩いてお越しになりました。そして開口一番、「そんなに嫌なら担当しなくて結構です! 誰かと変わってください」と言われてしまったそうです。
意外に私の周りに、この“眉間のシワ”で困っている方が多かったので、ここで改善のポイントをお伝えしましょう。
クセが「出やすい場面」を覚えておく
どうすれば、眉間のシワが大事な時に出ないようにできるのでしょう?
まず一つは「出やすい場面」を覚えておくことです。
例えば、「書類の整理をしていたり、予想外の質問をされた時に、眉間にシワが寄りやすいな」などと覚えておきます。
すると、同じシチュエーションの時に「今、眉間にシワが寄っているかも!」と気づきやすくなります。意識して気づいては直し、気づいては直しを繰り返していると、だんだん出にくくなっていきます。
また目が疲れていたり、視力が落ちている時にも出やすいものです。定期的にチェックして、目を休めたり、今の自分にあった眼鏡やコンタクトにすることも必要です。
さらに、心の状態を整えることも大事です。
心にシワが寄る時は、表情にもシワが寄りやすいもの。自分の気持ちを観察して、イライラ・不安を解消するような自分なりの気分転換をいくつか用意しましょう。深呼吸をしたり、見えないところで大きな伸びをするのも効果的です。
眉間のシワは縦の線です。縦のシワは、横に筋肉が動く部分を引いておくと寄りにくくなります。横に動く顔の筋肉、例えば口角は常に横に引いておくようにします。口角を横に引きながら眉間に縦線を入れるのは難しいので、自動的にシワが出にくくなります。