なぜ両端が細い箸でも「逆さばし」がNGか

ある会食でのこと。「これがマナーなんですよね!」と言って、「逆さばし」でお料理を取り分けてくださったかたがいました。

箸で料理をつまむ人の手元
写真=iStock.com/Edwin Tan
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自分のお箸を逆さにしてお料理を取り分ける「逆さばし」。よかれと思ってやっている人も多くいらっしゃいますが、これはマナー違反です。お箸の持ち手部分は、自分や他の方々が触れたかもしれない部分。そこで食べ物を取り分けるということは、衛生面から全くお勧めできません。さらに、取り分けた後にお箸の向きを戻してご自身が引き続き使うとなれば、お手元のお箸の上部が汚れた状態で食事することになります。美的観点からも、そのまま召し上がるのはいかがなものでしょう。大皿からお料理を取り分ける場合は、お店のかたに取り箸やトングをお願いするのが正解です。

お正月などのお祝いの席でよく使われる「祝箸」は、真ん中が膨らんでいて両先端が細くなっていることから、「孕み箸」「両口箸」などと呼ばれます。なぜ口をつける側だけでなく、持ち手の側も細くなっているか、ご存じですか。(もちろん)大皿料理を取り分けるため……ではありません。片方は自分が食事をいただく部分、もう片方は神様が召し上がるためのものなのです。大切なお食事を神様と一緒にありがたく頂戴するという思いが込められているからです。このような観点からも、やはり逆さばしはNGマナーと言えます。