TOEICスコアを男女別に見た結果にも、はっきりした特徴が表れた(図5)。女性のスコアが高いことについて山崎氏は、今回の調査が働いている人を対象としていることが影響していると指摘する。

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図5・6・7

「リーマンショック以降、雇用環境は特に内勤事務職にとって厳しくなっています。優秀な人しか、仕事を続けられていないという見方もできるのではないでしょうか」。

TOEICスコアが高い、すなわち仕事の実務能力も高いであろう、若い「高年収予備軍」と優秀な女性。今後はますます、入社時点ですでに高い英語能力を備えた人材が入ってくることが予想される。彼ら、彼女らの能力をきちんと評価して率いることができるだろうか? わが身を振りかえるべきかもしれない。

「英語を使って伝えたいことがあるかどうか」にも注目だ(図6)。TOEIC730以上の73.8%が「英語で伝えたいことがある」のに対し、470未満では58.8%が「伝えたいことがない」。山崎氏は、「日本人は中学・高校でかなりの語彙を身につけているので、伝えたい中身さえあれば、英語は上達するはずです」と説く。

企業が採用や昇進の基準にしているTOEICのスコアは、400台から900台と幅がある。どのくらいのレベルだと実践に生かせるのだろうか。アンケートでは、「自分の英語が実践でそこそこ通用している」と答える人の数が、730以上になるとぐんと増える(図7)。730を目標に何とか頑張りたい。

※すべて雑誌掲載当時

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