ブロークンな英語でよい
グローバリゼーションの波は、北半球に位置する一部の先進諸国間だけでなく、今や東欧や東南アジア、そして南米やアフリカまでも巻き込んで「全球化」的に進んでいる。ビジネスの共通語は、当然英語。そして、世界の英語人口は推定20億人に達した。しかし、このうち英語を第一言語とするのは、たったの約4億人にすぎない。つまり、7割以上は英語を「外国語」として捉えている人々で、彼らは母国語のアクセントのある「ブロークンイングリッシュ」でビジネスに臨んでいる。
日本人の英語に対する姿勢は相変わらずだ。LとRなど微妙な発音の違いを気にしたり、正しい文法を使えないことを恥だと思って、重い口をなかなか開こうとしない。英語で行われる会議や商談ではだんまりを決め込んで、引きこもる。これでは、ますます加速する全球化から落ちこぼれる一方だ。実際、日本人の英語力はタイやベトナム、ミャンマー、バングラデシュといった英語を苦手としていた国にも追い抜かれている。
日本人は多数派の非ネーティブであることを自覚して、「ブロークンな英語で何が悪いのか」と開き直って対峙するべきだ。
そこで私が提唱しているのは、「速い・うまい・安い」の牛丼英語。
日本語会話のゆっくりとしたリズムと対照的に、英会話のテンポは非常に速い。会話を振られたら即時に返すのが流儀だが、“What do you think? Tell me now”と問われると、「考えてから話す」習慣が染みついた日本人の多くは黙り込んでしまう。これでは、インタラクティブな関係はつくりづらい。では、どう対応したらいいのか。