調査概要/上場企業約3600社に対して質問紙の郵送による調査を実施、366社より回答を得た。調査期間は2011年2月14~23日。回答は広報担当または人事担当による。特に記載のない限り、グラフはこの調査結果をもとに作成。

英語求人は3カ月で3倍に

「10年秋から、英語力を条件に掲げた中途入社求人が急増しています」

開口一番、インテリジェンスが運営する転職情報サイト「DODA(デューダ)」の美濃啓貴編集長はこう強調した。

「世界の共通語として認知されている英語は圧倒的なニーズがある。欧米に限らず、香港、シンガポールなどアジアの主要地域でも広く使われており、ますます重要になっています」

インテリジェンスの調べでは、同社に寄せられる「初級以上の語学力を求める」新規求人案件数は、10年9月から12月にかけて3倍以上に増えた。英語が中心で、求めるレベルも「初級」より「上級」のほうが伸び率が高かった。

英語の能力を考慮するのは3割。「今後考慮」を入れると半数
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英語の能力を考慮するのは3割。「今後考慮」を入れると半数

「10年秋」が節目になった理由については、ようやく見え始めた景気回復、加速するグローバル志向、人材投資の積極化の3点を挙げた。ビジネスの現場では、即戦力の要としての英語力が問われる傾向はますます強まっているのだという。

そうした傾向は、プレジデント誌による有力366社を対象にしたアンケートの結果からも如実になった。「中途採用時、英語の能力を考慮しているか」との問いに対し、過半数の50.3%が「している」、または「していないが、今後はする予定」と回答している。

中途入社を目指す求職者の英語力の判断基準については、英語能力判定テストであるTOEICを挙げる企業が最も多かった。アンケートによると、366社のうち108社が基準にしている。美濃氏は「TOEICはあくまでも目安ですが、企業の間で共通基準として定着しています」と話す。