マルクスの「疎外」は誤解されている
労働におけるやりがいについて、私たちはどのように考えればいいのか。まず私は、「疎外された労働」という言葉を想起した。若き日のマルクスが『経済学・哲学草稿』の中で初めて使用し、資本主義下での労働に対する違和感を表した言葉である。
マルクスによれば、労働者は資本家の支配下に組み込まれることで、「本来の労働」から疎外されてしまった存在だ。では、この「本来の労働」とは何か。同書を読むと、当時の彼が資本家によって搾取される以前の労働には、多くの喜びや楽しさがあると考えていたことがわかる。私もまた、人間には労働や仕事に対して喜びを感じる素地が備わっている、と信じる1人だ。
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