仕事は理屈じゃない! 感情を出していい
怒るにはエネルギーが要るんだよ。ほかのことでエネルギーが取られるからか、最近は部下を怒らない上司が増えたそうだけど、僕にはできない相談だ。部下が怠けたり、規範から外れたことをしようものなら、その場で雷を落とすよ。人前だろうが、頭ごなしだろうが関係ない。仕方がないよ、僕は短気で、感情が自然に爆発してしまうのだから。怒りを抑えようとしたら、それこそ自分が病気になってしまう。
どうしたら上手に怒れるかなどと考えたこともない。感情を爆発させて怒るのは駄目で、理性的に“叱る”べきだという人もいるが、僕には無理だ。そんなことを考える前に口が開いているんだから。でも、長い間、ネチネチ怒ったりは絶対しない。相手が非を認めたらそれで終わり。僕に怒られたほうもそのときは怖いかもしれないけれど、あとはさっぱりしているはずだよ。飯田はそういう奴だ、ということを、みんなわかっているから。
昔は僕に呼びつけられた社員はよく、その辺の灰皿を隠して、自分の足を縮こめていた。(灰皿を)投げつけられる、(足を)蹴りつけられると思ったんだね(笑)。実際にやったことは一度もないけど、それくらいの剣幕で怒ってきた。
人は褒めたほうが育つというのは真理かもしれないけれど、褒める場面はそうそうない。逆に怒るべき場面はたくさんある。だったら、怒ったほうが人は育つんだ。
といっても、僕なりのルールがある。ひとつは、部下を憎まず、罪を憎むということ。この人は自分のことが嫌いなんだ、という気持ちを部下に抱かせたら、失格。もうひとつは、後でフォローしないこと。「さっきは悪かった」とか、肩を抱いて「飯でも食べにいこうか」なんて、絶対にやらない。気持ち悪いよ。そんなことをやるくらいなら、初めから怒らなければいい。