ゲートキーパーとしてトップと現場を繋ぐミドルマネジメントだが、多くの企業でその機能が低下している。その原因として、ミドルの育成に関する考え方が現在の環境に適応できなくなっていると筆者は説く。
優れたミドルとはローマ神話の双面神「ヤヌス」である
私はミドルマネジメントという存在は、ローマ神話に出てくるヤヌスという神様にたとえられるのではないかと考えている。門や扉の守護神であり、入と出という2つの流れを司る意味で、頭の前後に反対向きの2つの顔をもつ双面神である。
ミドルマネジメントもこうした二重性をもっている。まず、ミドルは戦略とその実行を繋ぐゲートキーパーとしてトップと現場との境界に位置する。役割はトップから下りてくる無形の戦略目標やビジョンを、部下の行動と成果という有形の戦略実行へと変換することである。アイデアを形にするという高度な転換作業である。
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