読書をする、あるいは資格勉強をする余裕がない人はどうすればいいか。明治大学教授の堀田秀吾さんは「通勤中や家事をしているとき、ソファで横になって目を閉じているときでも、学びの時間はつくることができる」という――。

※本稿は堀田秀吾『疲れ切った人のための勉強法』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。

人間の耳のワイヤレスイヤホン
写真=iStock.com/Diy13
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「読む」か「聞く」か、理解度はほぼ同じ

忙しくてまとまった時間が取れない。あるいは、疲れて目も手も動かしたくない状態でも、耳はまだかなり自由だったり働けたりします。もし、耳から入る情報だけである程度学習できるなら、やってみるのも手です。

ペンシルヴァニア・ブルームズバーグ大学のロゴウスキーらは、大学生を対象に、ノンフィクション書籍の序文と1章分を「電子書籍で読む」「オーディオブックで聴く」「読みながら同時に聴く」という3つのグループに分けて、すべての参加者に同じ理解テストを受けてもらい、すぐあとの成績と、2週間後の成績を比べました。結果、どの時点でも3つのグループの成績に統計的な有意差は見つかりませんでした。

つまり、きちんと聴けば、読むのと同じくらい内容を理解できていたということです。

この結果は、私たちの日常感覚とも重なります。

たとえば、ラジオのトーク番組やポッドキャストを聴いていて、「さっきの話、けっこう細かいところまで覚えているな」と感じた経験があるのでは? また、道順の説明やレシピの紹介を耳だけで聴いても、案外ちゃんと再現できたりします。ロゴウスキーらの研究は、そうした感覚を学術研究の立場からきちんと確かめたものです。

さらに、ノースダコタ大学のクリントン=リセルは、読む場合と聴く場合の理解度に関するいろいろな研究を比較しました。

46件の研究、合計4000人以上のデータを集めて分析したところ、全体として、読むほうが少しだけ有利という程度で、ほとんど差がないという結果になりました。特に、読む条件と聴く条件がどちらも研究者のペースで進む場合には、差はほとんど消えてしまいます。