言語化が上手い人は頭の中で何をしているのか。コピーライターのさわらぎ寛子さんは「言葉にするためには、何かを見るときに、ざっくりと全体を見ただけでわかった気にならず、詳細を見つめる習慣をつけることだ。例えば違和感、モヤモヤを感じたら、『何が一番(THE MOST)』『なぜ、そう感じるか(WHY)』の2つに分解し、『何が一番』と書き出した具体の中から1つを選んで言語化するといい。その1つがすべてではないが、漠然としたことを言うよりも、1つの具体的なことを言った方が伝わる」という――。

※本稿は、さわらぎ寛子『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

言葉にできないのは、いろんなことを1つの大きな袋に入れているから

観察① 周りをよく観察する

「うまく言葉にできない」という人の話を聞いていると、いろんなことを1つの大きな袋に入れているんだな、と思うことがよくあります。

たとえば、映画の感想を言いたいとき。

映画館でティーンエイジャーの友人が一緒に映画を見る
写真=iStock.com/demaerre
※写真はイメージです

「昨日見た映画が面白かった」。

これでは、その映画について何も伝わりませんよね。

映画が面白いと思ったのには、「アクションがカッコよかった」「ラストシーンに感動した」など、いろんな理由があるはずです。

この一つひとつの理由を、ボールとしてイメージしてみてください。

「面白い」という1つの大きな袋に全部のボールを入れて、一つひとつのボールを見ようとしないと、「面白かった」としか感想を言えません。

まずは、その袋の中に何が入っているか、全部のボールを出してみることです。

一つひとつのボールを確認して、「今回は、どの話をするか」を相手に合わせて決めていく必要があります。