意見を求められたとき、当意即妙な返しをするにはどうすればいいか。コピーライターのさわらぎ寛子さんは「目の前で起きていることを詳細に捉えるには、見えるもの、聞こえるもの、感じることを、野球の実況中継のようにすべて言葉にしてみる練習が役立つ。実際に口にしてみると、あれ、なんか違うな、この言葉では言い表せていないな、と感じることがある。そのときに『この言葉じゃなかったらなんて言ったらいいんだろう』と考える、その繰り返しで、言いたいことが言葉にできるようになっていく。たとえば、意見を求められたときに、今自分に起きていることを実況中継してみることで、パッと言葉が出るようになる」という――。

※本稿は、さわらぎ寛子『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

マイクの前で話す女性
写真=iStock.com/twinsterphoto
※写真はイメージです

目の前で起きていることを「口に出して」捉える

口に出す① 目に見えるものすべてを実況中継する

言語化が苦手な人は、いろんなものを「ざっくりと、なんとなく」見て、いろいろなことをまとめて「大きな袋」に入れている状態だとお伝えしてきました

目の前で起きていることを詳細に捉えるには、見えるもの、聞こえるもの、感じることをすべて言葉にしてみる練習が役立ちます。

書き出すのは大変なので、口に出すだけでOKです。

イメージは、野球のラジオでの実況中継です。

野球中継をラジオで聴いていると、テレビで観るのとは違い、実況者が、目の前で起きていることを事細かに伝えてくれます。

9回裏、5対2、マウンド上はA高校の2年生ピッチャー山田君、表情は冷静です。
バッターボックスには、この試合2安打の鈴木君が入っています。
山田君、サインにゆっくり頷いて、振りかぶって、投げた、ボール!
鋭い曲がりで外角へと落ち込んでいきました。

このイメージで、今目の前に見えているもの、聞こえているものを言葉にしていきます。