本番で焦ることなく口にできる方法

口に出す② 心のつぶやきを、すべて口に出してみる

誰かと話すことで自分の考えが言葉にできた、という経験は誰しもあると思います。

話していくうちに、自分でも気づかなかった思いが出てきたり、言葉になっていなかったものがポロッと口から出てきたりします。

自分が何を考えているかを知るには、浮かんできた言葉のかけらが消える前に口に出してみましょう。

頭の中に浮かんでは消えていく、泡のような言葉のかけらを、口に出すことで「言葉」という形を持ったものにするのです。

簡単な方法を4つ、紹介します。

お風呂の中や通勤通学の途中、料理や掃除をしているときなど、今日からすぐできる内容なので、取り組みやすいものから、やってみましょう。

◎予習・復習

会議でうまく発言できなかった、友達に話を振られてうまく返せなかったなど、「あのとき、ああ言えばよかった」と1日の会話を振り返ることはありませんか?

そのとき言えなかった言葉を、帰り道や、お風呂に入っているときなどに、そのシーンに戻ったつもりで口に出して言ってみましょう。

「明日、あの人と会う」「プレゼンがある」という予定がある際も、何をどういう言葉で言うか、相手の表情や言葉を頭の中でイメージしながら、自分のセリフを口に出して言ってみましょう。

Aパターン、Bパターンといくつか用意しておくと、本番で焦ることなく口にできます。

自分の中の2つのキャラとの会話

◎自分の中のもう一人との会話

これは人によってやりやすいパターンがあると思います。

私がよくやるのは、次の2通りです。

A:自分の中にキャラクターの違う2人の人を設定する
B:いつもの自分に、別キャラの自分が話しかける

Aは、たとえば「まじめ」と「むぼう」という2つのキャラを設定します。

頭の中で2人が話す様子を想像して、それぞれになって、実際に口に出してみます。

二人の自分にささやかれる女性
写真=iStock.com/Koldunov
※写真はイメージです
まじめ:自分のやりたいことって、なんだろう。よくわからないな。
むぼう:仕事になるかどうかを考えているから、わからないんじゃない。
まじめ:だって、どうせやるなら、仕事になることがしたいじゃん。
むぼう:やっていることが、お金になるかどうかなんて、やってみないとわかんないだろ。

まず、お金になるかを気にせず、やりたいことをやれば。こうやって、2人分の会話を口に出しているうちに、自分が本当は何を考えていたのか、言葉にできるようになってきます。

(私は子どもの頃から「ヤンキー」と「オタク」が頭の中にいて、いつも会話しています)

Bは、自分に、別のキャラクターが話しかけるイメージです。

別キャラは、実在の人物を思い描くとやりやすいです(先輩や理想の大人、または好きなキャラでもOK)。

自分(口に出して言う):あーあ、がんばっているのに、なんで全部うまくいかないんだろう。
別キャラ(脳内の声):全部ってことはないんじゃない。
自分:でもいろんなことがチグハグなんだよなぁ。
別キャラ:毎日、会社に行けているだけでもすごいよ。
自分:うーん、そうかもだけど、でももっとできる気がするんだよなぁ。
別キャラ:自分のことをもっとできるって信じているんだね。