電車の中で正しく観察する4つのポイント
自分がいつも入れている「大きな袋」の中に何が入っているかを、詳細に見ることが、「観察」です。
何かを見るときに、ざっくりと全体を見ただけでわかった気にならず、詳細を見つめる習慣をつけましょう。
たとえば、あなたは電車の中で何をしていますか。
スマホを見ている、音楽を聴いている、という方が多いように思います。
まずは、電車の中でキョロキョロと周りを観察する癖をつけましょう。
観察の大きな流れは、次のとおりです。
1、ざっくりと全体を捉える
2、注目ポイントを決める
3、詳細を観察する
4、解釈する
1、ざっくりと全体を捉える
電車の中で、まず全体をざっと見ます。
(例)平日朝8時の通勤電車なら、座っている人の9割、立っている人の8割ほどがスマホを見ているなぁ。今日は、少し冷えるから、上着を着ている人が多い。
2、注目ポイントを決める
次に、「注目する人(や場所)」を決めます。
(例)少し離れたところにいる、座って本を読んでいる女性
3、詳細を観察する
あまりジロジロ見るのは失礼なので、変に思われない程度に観察をします。
次に、その人の特徴から、生活を想像してみます。
(例)年齢は、20代後半ぐらい。読んでいる本は、ハードカバーの小説。図書館のシールが貼ってある。髪型は、暗めのカラーのボブだけど、よく見ると、髪の内側に明るい色を入れている。
服装は、ネイビーのカーディガンに白いデニム。膝の上には、大きめの鞄と、小さなバッグ。保温性のありそうな素材っぽいので、中はお弁当かな。
朝起きてから、会社に行くまで、何をしているだろうか。6時に起き、お弁当を作って、洗顔、メイク、着替え、朝食。一人暮らしかもしれない。
4、解釈する
観察から見えてきたことに、解釈を加えてみましょう。
(例)図書館のシールのついた本、お弁当を入れる小さめのバッグ、あたりから、丁寧で節約をした生活がうかがえる。髪の内側の明るいカラーからは、個性的でありたい、流行も意識していたい、という思いを感じる。
こうして毎日、誰か一人に絞って、じっくり観察してみると、「通勤電車に乗っている人は、みんな疲れた顔をしている」なんていう、ざっくりとした捉え方ではなく、一人ひとりに物語があることがわかります。
言葉にならない部分を鮮明に捉えられることが大切
観察は、1日で終わらせず、続けていくことで、意味を持ちます。
パッと見ただけではわからない、人と人の会話の中にある感情や、言葉にはなっていない表情、仕草、行動などをよく見ることで、「こういう人は、こういうもの」「こんなときは、だいたいこう」という思い込みを外し、実際に起きていることに目を向けられるようになります。
大雑把に捉えていたできごとに対する解像度が上がるのです。
解像度が上がって、ものごとが鮮明に捉えられるようになることが、「なんとなく」の言葉ではなく「自分の言葉」で考えることへの近道です。