「すでに反省している人」はどう誘導すればいいのか
この3点は順番に進んでいくものですが、「問題を認識しているか?」「反省をしているか?」によってスタートが変わります。例えば、メンバーが顧客の機密書類を違う顧客に誤送信してしまったとしましょう。もし本人がミスに気づいてもいない場合は、「指摘」「指導」「誘導」の順に進みます。
ミスを伝え(指摘)→起きたことの重大性を教え(指導)→再発防止の対応策を一緒に考えます(誘導)。
本人がミスは認知しているけど、反省していない場合は、「指摘」はスキップし、「指導」からスタートします。
本人がミスも認知し、深く反省している場合、あらためてミスを伝えて反省を促す必要はありません。
傷口に塩を塗るようなことをしても、いいことはありません。
「誘導」に注力し、例えば添付書類を社外にメール送信する際はアラート機能をつけるとか、送る前に他の人がチェックをする体制をつくるなど、誤送信が起きないようにする対策法を考えてもらいましょう。
Z世代を叱るときに有効なアメリカ式のメソッド
相手にネガティブなことを指摘しないといけない際の、おすすめの手法を二つご紹介します。
①「シットサンドウィッチ」を使う
アメリカで古くからある手法で、学生時代にメイドサービスを起業して、世界トップ10CEOに選出されたクリステン・ハディードさんの奮闘記『奇跡の会社』(ダイヤモンド社)の中でも多用されているものです。
とくに「Z世代と呼ばれる若い世代に効果的」と紹介されています。
一言で言うと、いきなり「叱る」ことはせず、「褒め言葉で前後を挟みましょう」。シットサンドウィッチという提案です。
「シット」は本来あまり上品な意味合いの言葉ではないですが、文脈上「苦言」と捉えてください。「苦言」を良いニュアンスの言葉で挟むと、受け入れられやすくなります。
前述の徳川家康の叱り方の「最初に今までの功績を称えて感謝する」「最後にこの先も期待していると伝える」もこれに近い考え方でしょう。
ビジネスとプライベートでありそうな例で、「苦言」から伝えるのではなく、シットサンドウィッチしてみましょう。