※本稿は、山本渉『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
だから家康は天下を取れた、部下を潰さない叱り方5カ条
「徳川家康の叱り方」というのが、SNSで話題となっていたことがありました。発信元によって多少差がありますが、大きくはこのような内容です。
・本人だけに伝える
・やわらかい言葉で伝える
・最初に今までの功績を称えて感謝する
・最後にこの先も期待していると伝える
・家来への叱責は自分への戒めと捉える
ネットで称賛されていたもので、史実なのか定かではありませんが、現代にも通じる相手を配慮した「叱り方」であることには間違いありません。
人に仕事を任せるためには「褒め方」にも工夫が必要です。
しかし、ビジネスでもプライベートでも褒めているだけなら楽なのですが、現実はそうはいきません。
「頼んだことを全然やってくれなかった」
「やってくれたけど酷い内容だった」
「何度も同じミスをする」
誰も望まないですが、このようなケースに遭遇することもあるでしょう。褒めるだけでは対処しきれません。
パワハラだと思われないように叱るにはどうすればいいのか
また、叱ることでパワハラにならないか、相手が会社を辞めてしまわないか、と心配になる人も多いです。
前述の徳川家康の叱り方ではないですが、「叱り方」にも作法がありますので、ここからは「正しい叱り方」に関して解説していきます。
まず結論からお伝えすると、ビジネスの場で叱ってはダメです。
では、スルーするのかというと、そうでもありません。
相手の状況に応じて「指摘」「指導」「誘導」をします。
呼び方の違いではあるのですが、「叱る」という言葉には、「コラっ! 違うだろ! 何度言ったらわかるんだ!」というように、上から目線で怒っているイメージがあります。
例えば、子どもが道路に飛び出そうとした際に「コラっ! 危ないでしょ!」と叱る。これは必要なことかもしれませんが、ビジネスの場で大人に対して「叱る」という感覚には適していません。
これでは、アンガーマネジメントができていない上司になってしまいます。