3Cで整理すると浮かび上がるコンセプトの違い
では、どんな効果があるのか、私が求人メディアの営業をしていた時のケースを紹介しますね。
当時の私は「かつ丼チェーン」のお客様を担当していました。
ある時のこと、役員さんがこうおっしゃったのです。
「近くに新しいかつ丼屋ができたんだけど、ウチのマネをしているんだよね。器のデザイン、雰囲気……似てるんだよ。おもしろくないよね。マネされると」
さて、あなたなら、どうしますか。
私は、そのオープンしたばかりのかつ丼の店に食べに行きました。
役員さんへのお土産のネタを探すためです(ジョハリの窓で言うと、「秘密の窓」での会話をするため)。
3Cを知っていると、情報を整理しやすくなります。
実際、お店を観察してみると、あることが見えました。
確かに店の雰囲気や食器は似ていました。
でも、3Cで整理すると、まったく別の商売であることがわかったのです。
役員さんのかつ丼屋は、ビジネス街で働く人がお客様で、「毎日食べても飽きないかつ丼」がウリです。
メニューも30種類ほどあり、今日は「キムチかつ丼」、明日は「おろしかつ丼」といったように、“毎日、通いたくなる店”がコンセプトだったのです。
しかし、新しくできたかつ丼屋の顧客は観光客。メニューも3種類。一見のお客様に「お決まりのかつ丼」を食べてもらう、そんな商売です。
つまり、まったく「別の商売」だったというわけです。
参謀になるには、切り口が必要
そこで、すぐに役員さんに連絡をしました。
そして、このように報告しました。
「確かに似ていますが、恐れるに足らずかな……と思いました。
まずターゲットも違いますし、こだわっていらっしゃる点が違います。
我々は、“毎日食べても飽きないかつ丼”がこだわりですが、むこうは、“一見さんで勝負”の商売です。あまり、気にしなくてもよいのでは……」
これがきっかけで、色々な相談をいただくようになりました。
ただ、「あの店、食べてきました」だけでは、参謀にはなれません。
ぜひ、あなたもお客様を「3C」の切り口で考えてみてください。
きっと、お客様の視点で、考えられるようになるはずです。
場合によっては、このケースのようにお客様以上に考えられるはずです。
お客様にヒアリングをするのも手ですし、ホームページでわかる範囲で仮説を立てるのも手です。
この3Cでお客様の状況を整理するだけで、お客様とワンランクアップした会話ができるようになります。