仕事の飲み会で目指すべきは、どのような状態か。編集者の戸賀敬城さんは「仕事の結果を出すには、名刺を集めるだけでは難しく、ビジネスにおいてもアナログ的な裸の付き合いをして、相手との距離感を一気に縮めることだ。仕事の結果の80%は仕事の中身で決まるけれど、20%は飲み会で決まる」という――。
※本稿は、戸賀敬城『ビジネス会食の技術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「楽しかった」で終わる飲み会は絶対ダメ
今日の飲み会は楽しかった――。
会食後に、こんな感想を漏らしているようであれば、きっと仕事で結果を出すことはできないでしょう。
昭和のバブル時代までは、仕事の関係者とワイワイ盛り上がっているだけでも、仕事がどんどん入ってくる時代でした。
しかし、今は違います。
会社もバブル時代のような余裕はありません。限られた少ない予算の中で、大きな成果を出すことが、社員に求められています。
飲み会に費やす時間や食事代も「コスト」ととらえ、費用対効果を重視しなければなりません。「ああ、楽しかった」「おいしかった」だけでは、飲み会として失敗なのです。
ところが現実には、「楽しく飲めば仕事がもらえる」と思っている人が、いまだにたくさんいるように感じます。特に営業の仕事をしている人は、そのようなスタイルが身についているのでしょう。
私も職業柄、飲み会に誘われることが多いのですが、なかには、それほど仕事の関わりがないにもかかわらず、「とりあえず飲みましょう」といった感覚で誘ってくる人も少なくありません。実際にその飲み会に行ってみると、最初から最後まで仕事の話は出ない。