※本稿は、中村郁著『発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
人生にトラブルはつきものだと心得る
私は凪いだ海のような穏やかな毎日を過ごしたいと思っています。しかし、次から次へとさまざまなトラブルを自ら起こしたり、引き寄せたりしてしまいます。これまでさまざまなミスを繰り返してきましたが、一番ショックだったのは、センター試験の現代文でマークシートをすべて1つずつずらして塗りつぶしてしまったことです。
うっかりミスはたくさんありましたが、これは翌日まで寝込むほど落ち込みました。しかし、私は翌日の夜、悔し涙を流しながらこう呟きました。
「このパターンな!」
私はわかっていたよ、我が人生にこんなパターンもあることを。つまりセンター試験を捨てろということだ。よっしゃ、捨ててやろうじゃないか。真夜中に自分にこう言い聞かせ、私は私大の試験へ頭を切り替え、精神を集中させたのでした。
「このパターンな!」。
1つずれマーク事件で、うら若き高校生の私が身に付けた言葉です。若き時代に身に付けたこの術で、私は今もさまざまな場面を乗りきっています。
昨年、私はスピーチコンテストに出場しました。一次予選はZoom審査。しっかりと練習し、スピーチに臨みましたが、開始直後、突然Zoom画面が真っ暗。私は恐ろしいほどの機械音痴なので、こうなるともうお手上げです。はたして、相手に私が見えているのか、それすらわかりません。