気の利いた行動はどうすればできるか。らしさラボ代表の伊庭正康さんは「基本的なマナーを守ることは、営業として『失点』をしないための条件だ。例えば出張で営業に行く際は、先方のオフィスに入ったタイミングでキャリーケースをゴロゴロと転がすのはやめて、持ち上げて運んだほうがいい。私もお客様からは何度か『ぜひ、転がしてください。でも、やはりプロですね』と言われたことがある。これこそが、マナーの本には載っていないプロ営業の“見せ方”だ」という――。

※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

スーツケースを引くビジネスマン
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観察力を高める3つの観点「SBI」で気の利いた会話を

気くばりが苦手、という人は多いもの。

わかります。実は、私もそうでした。

自然と気くばりができる人を見ると、スゴイな……と羨ましく思ったものです。

でも、あきらめることはありません。

気くばりはスキル。

つまり、鍛えることは十分にできます。

最初にやることは「目配り」です。

例えば、営業先でお客様をお待ちしている間、あなたはどこを見ていますか?

もちろん、スマホを見ているようではいけません。

話のネタを探すように、次の3つの観点でまわりの観察をしてみてください。

「S:Situation(状況)」
「B:Behavior(行動)」
「I:Impact(影響)」

この観点は、SBI情報とも言われる、観察力を高める3つの観点です。

元々はリーダーがメンバーに対する観察力を高めるためのメソッドなのですが、私は営業こそこのSBIの観点でお客様を観察する必要があると考えています。